「7月5日大災難」予言が引き起こした大騒動
この期間、X上で最も話題となったのは、漫画家・たつき諒氏の『私が見た未来 完全版』(飛鳥新社)に記された「2025年7月5日に日本を大津波が襲う」という予言に関する議論です。この予言は、たつき氏が夢で見たビジョンをもとに書かれたもので、2011年の東日本大震災を予言したとして一部で知られていました。2025年6月頃からこの話題がXで急速に拡散され、7月5日が近づくにつれ、ネット上は一種の「お祭り状態」に。多くのユーザーがこの予言を真剣に受け止め、避難準備や旅行のキャンセルを表明する投稿が見られました。
たとえば、あるユーザーは「地震増えすぎ。南海トラフ、次の10年以内って分析出てるし、都市伝説レベルの『2025年7月予言』も無視できん。#地震予知 #南海トラフ」と投稿し、科学的根拠と予言の関連性を議論する声が広がりました。また、別の投稿では「2025年7月に大地震くるって予言、根拠ないけど地震周期と重なるって話あるし、正直ちょっと信じ始めてる」と、半信半疑ながらも関心を示す声も。気象庁の野村竜一長官が6月13日にこの予言について「現在の科学的知見では日時や場所を特定した地震予知は不可能」と異例のコメントを出すなど、公式機関も反応せざるを得ない状況でした。
しかし、7月5日当日、トカラ列島で震度5の地震が発生したものの、本州では大きな災害は発生せず、予言は外れた形に。X上では「何も起きなくてよかった」「防災意識が高まったのは良かったけど、騒ぎすぎた?」といった安堵や反省の声が飛び交いました。この騒動は、予言の真偽以上に、SNS時代における情報の拡散力と社会の反応を示す象徴的な出来事となりました。
南海トラフ地震への関心と防災意識の高まり
「7月5日予言」をきっかけに、Xでは南海トラフ地震への関心が急上昇しました。南海トラフ地震は、科学的に今後30年以内に70~80%の確率で発生すると予測されており、予言と現実のリスクが結びつけられたことで注目度が上がりました。ユーザーの間では「予言は外れたけど、南海トラフのリスクは本当。備蓄見直した」「防災バッグ準備したよ。みんなもやって!」といった投稿が目立ち、予言騒動が結果的に防災意識を高めるきっかけになったとの声も多く見られました。
一方で、予言を信じた人々への批判も散見され、「勝手に信じてパニック起こした人たちが恥ずかしい」といった意見や、「予言を過信せず、科学的な情報に基づいて準備すべき」との冷静な声も上がりました。この議論は、Xが情報共有の場としてだけでなく、感情や意見が交錯する場であることを改めて浮き彫りにしました。
猛暑と異常気象の話題
7月初旬、日本では記録的な猛暑が続き、X上でも「札幌も猛暑🥵」「気温40度超えそうでヤバい」といった投稿がトレンドに。気象庁によると、2025年7月は全国的に高温が続き、熱中症警戒アラートが頻繁に発令されました。特に7月23~25日には、北海道を含む地域で異常な暑さが観測され、Xでは「夏の北海道がこんな暑いなんて異常事態」「エアコンない家、どうやって生き延びる?」といった声が。猛暑に加え、局地的な大雨や干ばつへの懸念も広がり、気候変動への関心が高まるきっかけとなりました。
また、国際的な異常気象も話題に。中国では6~7月に北京や河北で豪雨・洪水が発生し、死者30人以上、経済損失76億ドルに上る被害が報告されました。Xでは「中国の洪水、映像がエグい。気候変動やばいね」「日本も他人事じゃない。豪雨対策必要」と、グローバルな視点での議論が活発化しました。
参院選と政治の話題
政治面では、7月に実施された参議院選挙がXで大きな注目を集めました。自民党が大敗したとの速報が流れ、「参院選、自民大敗」「政治変わってほしい」といったハッシュタグがトレンド入り。特に、若年層のユーザーの間では「投票行った!未来変えたい」「自民の議席減、ちょっと期待」と、政治への関心の高まりを示す投稿が目立ちました。この選挙結果は、経済や社会保障への不満が背景にあるとされ、X上での議論も多角的でした。
エンタメと文化の話題
エンタメ分野では、音楽や芸能に関するニュースもXで話題に。たとえば、YOSHIKI(X JAPAN)が週刊誌の名誉毀損記事に対し小学館を提訴したニュースが注目を集め、ファンからは「YOSHIKI応援!」「メディアの無責任な報道許せない」といった声が上がりました。また、占い番組で広瀬アリスや趣里の結婚に関する予言が的中したとの投稿がバズり、「占いドンピシャすぎる!」「2025年は恋愛ニュース多そう」と盛り上がりました。
まとめ:Xが映し出す社会の関心
2025年6月28日から7月4日のXは、「7月5日予言」を中心に、地震や気候変動、政治、エンタメと多様な話題で賑わいました。予言騒動は結果的に大きな災害を回避したものの、防災意識の高まりや情報の真偽を見極める重要性を改めて浮き彫りに。一方、猛暑や選挙、エンタメの話題は、日常の関心事がSNSを通じて増幅される様子を示しました。
Xは、単なる情報発信の場を超え、社会の不安や期待、感情が交錯する場として機能しています。この期間の話題は、2025年の日本が抱える課題や希望を映し出す鏡だったと言えるでしょう。今後も、Xでのトレンドを通じて、私たちの社会の「今」を捉えていきたいですね。